感情モニタリングと行動パフォーマンス

 ひがしすみだカウンセリングルームです。
 今日は行動習慣を考える上でのセルフモニタリングについて考えます。

 たとえばあなたが禁煙をしようと決意したとします。しかしこの時、最初から煙草を一本も吸わないと決めて禁煙すると、なかなかうまくいかないもので、すぐにイライラとして、吸いたい気持ちになってくる。「ここで吸ってはダメだ」とは頭でわかってはいてもついつい吸ってしまって禁煙は15分で終了、ということは割とよくあります。
 これは煙草をやめることに対する苦痛や抵抗感、煙草に対する志向性が阻害要因となって、コントロール行動が適切に行われないためだと考えられます。

 意に沿わない行動を行うことはストレスを伴います。そのようなストレスがあることで、コントロール行動に対する抵抗感は動機付けを低下させることいなります。そのため、これが禁煙行動の維持に対する消去抵抗となり、行動のパフォーマンスは低下してしまうのです。
 私たちはそのような場合、どこに問題があったのか(急にやめようとした)、自分の気持ちはどうなのか(煙草は吸いたい)、といったことをモニターし、ストレスが過度にならない範囲でセルフコントロールができるように行動を調節することで目標の達成を目指そうとします(少しずつ減らすのなら我慢ができるかもしれない)。言い換えれば、吸いたいという気持ちと我慢しようという考えのバランスをとり、実行可能な行動を検討することが行動調整に結びつくといえます。

 しかしこの時、その人がコントロール行動に対するnegativeな感情に気づかずにいると、コントロールに対するその人が抱いている感情を認知できなくなってしまうのです。禁煙の例でいえば、自分が「煙草を吸いたい」気持ちを、実は強くもっていることに気がつかない状態です。

 そのような場合、その行動(禁煙)をしようと決意したのに、なぜその行動(禁煙)がストレスになるのかがわからなくなってしまい、問題の原因が適切に行われなくなってしまいます(たとえば自分の意思の弱さが原因だ、など)。それによって実現可能で適切な形での行動を調整することは難しくなることは想像に難くありません。
 そしてコントロールできない自分を責めたり、場合によっては自分にはコントロールできないのだと考えたりしてしまって、無力感が学習された結果、コントロールを行わなくなってしまうこともありうるのです(Seligman,1975;梅本1987)。
2018年02月28日