悩みの過小評価をやめること

 

ひがしすみだカウンセリングルームです。

クライエントは自分の専門家

 現代カウンセリングの基礎を作ったロジャースは、カウンセリングについてこう述べています。

「カウンセリングの主人公はクライエント(相談者)であり、クライエントこそが問題を最もよく知っている人であり、自己実現に向かって問題を解決する潜在力を秘めている」(C.Rogers,1951)

 つまり、クライエントは自身の問題や症状ともっとも長くつきあい、ひとつならず、必ず何かしらの解決の試みをしようとしている「自分の専門家」ということができます。

こうしたクライエントさんの努力の歴史を踏まえて、問題の緩和を促進することがカウンセラーの仕事であり役割となるわけですが、じつは、カウンセリングとはカウンセラーとクライエントさんの共同作業という側面があり、カウンセリングにあたって、クライエントさんにもご協力頂く必要があります。

クライエントにお願いしたい3つのこと

 カウンセリングを勧めていくにあたっては、①問題(悩み)のディスカウントを手放し、②解決の可能性について探り、③問題解決の意欲もつことの3つが必要になってきます。 問題のディスカウント(過小評価)をやめる多くの場合、クライエントさんは問題をディスカウント(否認、否定、過小評価)しています。

 たとえば、

 a. 問題そのもの(たいしたことはない)
 b. 問題の意味(自分にとって大きな意味はない)
 c. 解決の可能性(どうにもできない、無為、無気力)
 d. 解決のための自分や他者の能力(解決する力は自分にはないし、誰にも頼れない)

などです。

 その結果、その場しのぎにして問題を無視したり、援助や取り組みの放棄をしてしまい、問題にとらわれてしまう事になってしまいます。それでは、回復に向かって進むにはとても難しい。問題は必要があって、起こっているのですから、そのことを認め、考えることがまず必要になります。 問題をディスカウントしていると、無気力・無為になって、解決に使える資源(状況や人)を無視してしまったり、自分の能力に自信がないあまりに人の言うなりになってしまったりすることに繋がります。

 ほかにも、自分の悩みを直視できず、情緒不安定になって、行動にムラがでてしまう。あるいは考えすぎてしまうことにもなります。

 考えている間は事実を直視したり受け入れることを遠ざけることができるわけですから、そうする気持ちは当然なのですが、目をつぶって手探をしているようなものですので、なかなか、解決に到達することが難しくなる。ときには、自分の手に余ると思い込むあまり、八つ当たりをしてみたり、シニカルになってみたり、暴力になってしまうことさえあります。

まずは問題の過小評価をやめること

 まずは、問題がどんなもので、どれくらいの大きさなのかきちんと話し合いたいと思っています。
 よく「こんな悩みで相談してよいのでしょうか」とお尋ねになる方ががありますが、どんな悩みであれ、自分をさいなんでいることは事実であって、そのことに多寡はありません。悩まれていることは、悩まれていることととして率直に認めてお話しいただくことからカウンセリングは始まります。「自身の問題や能力のディスカウント(過小評価)を手放していただく」ことがまずは必要なことになるのだろうと思います。

解決の可能性を探る

  解決法を探ろうと自ら動き出すことは、非常に自立的で、それ自体が問題解決に寄与するものです。例えば、誰かに相談することそれ自体が解決に向けてのステップといえます。カウンセリングで言えば、相談室においでいただくこと事態がその一歩となるものです。

 あなたが相談室に来ることからカウンセリングは始まっています。話をしながら、解決の可能性についてカウンセラーとクライエントがともに信じることが必要になってくるのですが、はじめは誰しもどうにもならないと思って、解決の可能性を過小評価しがちなものです。でも話していく中で、思いもよらない所から解決の糸口が見えてくる、そういうことは、経験上多くあります。

症状は自分を守っている?

 ただ、時にその「問題」には「意味」があって、解決してしまうとかえって辛いことが起こることもある。そんなときは解決をしたくないという気持ちが強くなってしまい、解決への信頼を歌唱化してしまうことがしばしばあります。ときの問題の解決が新たな課題の直面へと繋がる場合があります。症状がそれから自分を守っている、ということもあるのです。もちろん苦痛があるのですが、苦痛がなくなった跡の人生を前に途方に暮れてしまわれる方もいるようです。そのときは、援助がかえって邪魔なものと受け止められることもあるかもしれません。カウンセラーと話し合って決める必要がある場合が出てくるでしょう。

問題解決の意欲を持つ

 冒頭でも述べたとおり、カウンセリングの主役は、クライエントさん自身です。カウンセラーにすべてを任せているだけでは援助は有効に働かないことがあります。これはどの援助技法にも当てはまることです。精神分析では自分の内面について言葉を紡ぐ努力が求められますし、認知行動療法でも、自分の感情や行動を観察し、自動思考を発見していく共同作業が必要になってきます。動機付けや意欲はカウンセリングのプロセス全体に影響を与えるものなのです。

カウンセラーの役割

 こうしたクライエントさんの役割に対して、カウンセラーは、クライエントが生き方をより豊かにし、より健康に生きるための方法を探り、発見し、それを実現するための支援をするお手伝いをします。クライエント自身が自分の価値観を大切にし、自分の持てる資源や潜在能力を発揮して、自己決断の元で自分の可能性を最大限に発揮して生きられるように支援します。クライエントが問題解決に意欲的に取り組めるような雰囲気とかかわりを作るすることがカウンセラーの仕事になるのです。

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2018年03月21日