アンガーマネジメントって何?

 

 時折、怒りの気持ちを消したいので、アンガーマネジメントでコントロールできるようになりたい、というご要望を伺うことがあります。しかし一般にアンガーマネジメントというのは怒り行動をコントロールする方法であって、怒りを消すものではありません。怒ることは自然なことかもしれませんが、それに飲み込まれず、適切にふるまうことが、「コントロール」なのだと思います。

感情は消せない

 人が行動をするとき、いつも論理的に行動しているわけではありません。特定の勘定を積極的に求めたり避けたりすることでも行動が起こります。これを情動駆動型処理行動といいますが、危険を察知して恐怖から逃れたり、怒りを感じて体を戦闘状態にして、敵に立ち向かったりすることは、動物が生存する上で不可欠なものでした。瞬間的な行動選択には、理性のコントロールで吟味して、というのではおそすぎるのです。今や、そうした生命の危機にさらされることは少なくなりましたが、生存上必要なものなので感情が残っており、その意味で、感情が湧くことは、それが怒りであれ、当然のことなのです。感情は消せないことを理解することからアンガーコントロールは始まります。

コントロールするためにはまずは状況を整理

 怒りをコントロールするとき、まず、何が起こっているかを知らないと、手のつけようがありません。なので、どんな時に怒るのか、誰と、どういう場面でどんな時間だと怒るのかを知る必要があります。また、そのときはどんな気分か、怒りのトリガーになったものはどんな出来事や思考であろうか、そういうことを一つ一つ記録していくのです。そうして、自分の怒りやすいポイントを絞り込んでいきます。
 怒りの状況がある程度絞り込めたら、次に、自分が主にどういう風にふるまっているかを考えます。大きな声を上げて威嚇していますか? それともものにあたって威嚇しますか? はたまた嫌味なことを言って相手を困らせているでしょうか? あるいは、すねて対人関係から退却手金になっていますか? 暴力になってしまうのは、さすがによくないですよね。暴行罪や傷害罪になってしまいます。ともかく、怒りを感じた時に、どうふるまっているかを知るのが第二ポイントとなります。ついでに、そのときにどんなことを考えているか検討することで、あなたの怒りの概要というのがつかめてくるはずです。○○の時に××というように感じで怒りがわいて、△△形で怒りを表現するといった具合です。

変えられるのは、感情ではなく、行動

 さて、あなたが怒っているのを知るのはどういった方法によってでしょうか? あなた自身はどうやって知りますか? 他者はどうやって知りますか? それはあなたの不機嫌な顔や、言動、行動からでしょう。ではこの時の行動が変わるとt周囲はどう思うようになるでしょうか? そしてあなた自身は? 不機嫌で黙っているあなたを見るのと、今起こっているんだと正直に言うあなたを見るのとだと周りの人はどう思い、それを見てあなたはどう思うでしょうか? ずいぶん変わった光景が展開されているのではないかと思います。周囲の評価が変われば自己評価も変わってきます。
 ここで、先ほど整理した怒り状況に戻って考えうる必要が出てきます。怒りを表出するパターンがあるなら、表出する別のやり方を決める。例えば、態度で示す前に言葉でいうようにする。その場面から距離をとってみる。笑う、色々なものがありうるでしょう。ともかく、自分の表出行動を別のものにすると決めて実行してみることが重要です。考えは後からついてくるものです。

アンガーマネジメント

 結局、怒りを感じることを自分に許し、そのうえで行動を変えていくことが、アンガーマネジメントの基本となるのではないかと個人的には思っています。
ところで、怒りを消すことであなたは何をしたいのでしょうか。何をコントロールしたいのでしょうか。あるいは誰の。そのことはセラピストときちんと話し合う必要があると思います。自分なのかほかのだれかなのか。ほかのだれかなのであれば、それを自分が怒りとみなしてしまうのはなぜなのか。本人のとって怒って当然のことだってあるでしょう。そこの理解抜きにはコントロールすることがよいのか悪いのかわからなくなってしまいます。
結局感情は、起こりやすい場面を見直すか、諦めて受け入れるかのどっちかしかないのだと思うのです。ただそれは容易ではないので、伴走者やペースメーカー役が必要なのだろうと思います。そこにたどり着くことだって、結構大変だったりします。それにコントロールされた怒りの供養をどうするのか。そのあたりはカウンセリングによってお手伝いできることがあるかもしれません。

 

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2018年07月02日